西日本典礼で葬儀施行される90%の方は湯灌の儀をなさいます。
「湯灌」とはご遺体をお湯につけて洗い清める儀式のことです。人間は生まれたすぐに産湯につかり、体を洗い、きれいな姿でお披露目されます。亡くなった時も、これから新しい世界に生まれ変わり、きれいな姿で旅立ってほしい。そんな想いを込め、昔は遺族が中心となり、湯灌を必ず行っていました。
今では病院で亡くなった場合では、看護師がご遺体をアルコールできれいに拭き、脱脂綿で処置を施してくれます。ただし表面的な部分のみの処置しかできないのが現状です。
湯灌はご遺族や近親者にお集まりいただき儀式として行います。まずお部屋に浴槽をお持ちし、湯灌をはじめる前に「逆さ水の儀」を行います。日常、私たちがお風呂に入る際は、お湯を沸かし、水を足しながら適温にします。葬儀の場合は、「逆さごと」といって通常とは逆で、お水(実際はお湯)にお湯を足しながら足元から上部にかけてお湯をかけていきます。その後、シャワーで足元から髪の毛まで丁寧に洗浄し、お浄めいたします。
(こちらの写真が実際に湯灌の際に使用している専用の浴槽です。)
その後、ドライアーで髪を乾かし、仏衣や好きだった洋服をお着せします。最後にメイクを施し、納棺いたします。時間にすると一時間ほどを要します。
葬儀の際は、来客の対応や電話連絡など、何かと準備に追われてバタバタと時間が過ぎていくように感じる方もいらっしゃいます。そのように慌ただしさを感じる中でも、この湯灌では亡くなった方を目の前にし、静かなときが流れます。
亡くなった方に対して、感謝や特別感につつまれた温かな思いを伝える。
西日本典礼ではそのような時間と空間を大切に提供したいと考えています。
西日本典礼の湯灌を動画でも紹介しています。クリックしてご覧ください。
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