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コラム

お盆の迎え火・送り火について
お葬式の知識

お盆の迎え火・送り火について

初盆には迎え火を焚いて故人やご先祖様をお迎えし、送り火を焚いてきちんとお見送りをしたいと考えておられる方は多いと思います。

実は初盆の迎え火のやり方にはきちんと決められた時期や時間帯があります。
また、アサガラや焙烙など使う道具にも由来があります。

初盆の迎え火、送り火について考えてみましょう。

〇迎え火
迎え火とはご先祖様の霊が、浄土から自宅へと迷わず戻ってこれるよう目印として焚く火のことです。
地域や各家庭の風習によって違いますが、大体家の門口や玄関先・お墓等で焚かれることが多いです。

〇送り火
送り火とは、お盆の間自宅で過ごしたご先祖様の霊が浄土へ帰る際に、家族がしっかりと見送りをしていることがわかるよう、焚く火のことです。
焚く場所は、迎え火とお同じように、家の門口や玄関先・お墓で焚きます。

地域によってはお盆の送り火がその土地の夏の伝統行事となっているところもあります。
初盆には故人が初めてあの世から帰ってきます。
いざ迎え火、迎え火を焚いてみようとすると正式なやり方は案外わからないものです。

〇送り火・迎え火で燃やすもの
準備したアサガラを燃やします。送り火の際は、盆棚に供えていたアサガラを燃やします。
アサガラとは外皮を剥いだ麻のことであり、ホームセンターや生花店で販売しています。
最近ではアサガラが手に入りにくくなっているところもあり、そういう場合には松の木を代用にしているご家庭も多いです。
また、炮烙(ほうらく)という素焼きの平皿を用意しておきましょう。
炮烙が手に入らない場合は耐熱の平皿を使いましょう。
風が強い時や安全面で不安がある場合は、口の広い椀型の耐熱皿でも大丈夫です。


〇迎え火を行う日にち
初盆の迎え火を行う日にちは、お盆の入りとなる日です。
旧暦の盆入りなら7月13日、新の盆入りなら8月13日となります。
地域によっては前日の12日に行うこともあります。
初めてあの世から帰ってくる故人が迷わないよう、迎え火は決められた日にちに行いたいものです。

〇迎え火を行う時間帯
初盆の迎え火を行う時間帯は、日が翳り始めてから日没前までの夕方がよいでしょう。
明るいうちでは迎え火が見えづらく、暗くなってしまってからでは迎え火を焚くことが難しくなってしまいます。
故人やご先祖様の霊からよく見えるように迎え火は夕方に行います。

【迎え火の流れ】
〇盆の入りの夕方、玄関先に焙烙を置き、小さく折ったアサガラをのせる。
まわりに燃えやすいものがないかどうかを確認してから、アサガラに火をつける。
迎え火の炎を目印にして、故人やご先祖様があの世から帰ってくる。
〇お盆の迎え火としてしばらくアサガラを焚いた後、完全に火を消す。
迎え火を消すまではその場を離れない。
〇迎え火をきちんと消し終わったら家に入って仏壇にお供え物をし、故人やご先祖様に手を合わせる。

〇送り火を行う日にち
送り火を行うのは旧歴の盆なら7月16日、新の盆なら8月16日。
この最終日を盆明けまたは盆の送り日と言いますが、地域によっては15日を盆明けとするところもあり、そういう場合は15日に送り火を焚く場合もあります。

また、どうしても盆明けの15・16日に送り火を焚く時間がないという場合は、日程を調整しても問題ありません。
大切なのは、ご先祖様に対する供養の心です。

〇送り火を行う時間
盆明けの日も、午前中はご先祖様の霊はまだ自宅にいるとされています。
ですから、送り火を焚く時間は、盆明けの夕方です。
外が暗くなってきたら、送り火を焚きます。

時間は絶対にこの時間中に行わないといけないという決まりはありません。
ただ、ご近所への配慮等も考慮し、一般的に17~19時くらいまでに焚く家庭が多いようです。
地域の行事として送り火が行われている場合は、その地域の開催時間に準じて行われます。

【送り火の流れ】
〇炮烙(ほうらく)にアサガラを折り重ねて入れる
自宅の玄関先や門口に炮烙を置き、その中にアサガラを折り重ねて入れます。
〇新聞紙を燃やし種火を作りアサガラに火をつける
ライターやマッチ等で新聞紙に火をつけ種火を用意します。
燃えている新聞紙を炮烙の中に入れ、アサガラに火を付けます。
〇完全に鎮火していることを確かめて処分する
アサガラが完全に燃え、残り火がなく鎮火していることを確認して、灰はごみとして処理します。

また、海や川に近い地域では、送り火を各家庭で焚くのではなく、送り火に見立てた灯篭を川に流すことでご先祖様の霊を浄土へと見送る地域があります。
近年では環境問題や防火の観点から灯篭流しを行う地域は減ってきています。そのような地域の方のために、西日本典礼ではお盆でお供えされた物や提灯などご一緒にご供養する盂蘭盆会を各斎場にて行っております。


【開催日時】
8月15日 17:00~20:00
【開催斎場】
清水斎場(読経:18時頃)
若草斎場(読経:18時頃)
志免斎場(読経:18時頃)

  原斎場(読経:19時頃)
和白斎場(読経:19時頃)
諸岡斎場(読経:19時頃)
※供養祭(法要)に参加ご希望の場合は読経の時間にお越しください(参加無料)

【盂蘭盆会について詳しくはこちらから】

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