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エンバーミング知っていますか?【福岡葬儀・大分葬儀】
お葬式の知識

エンバーミング知っていますか?【福岡葬儀・大分葬儀】

エンバーミングという言葉を聞いたことがありますか?
エンゼルケアや湯灌はご存じの方がいらっしゃるかもしれませんが、大きくまとめるとエンバーミングはエンゼルケアや湯灌と同様にご遺体を綺麗にすることを指します。
しかし、処置の内容やご遺体の保存期間などは全く異なります。
ここではエンバーミングについてご紹介いたします。

エンバーミングとは


「遺体衛生保全」の総称で、遺体を衛生的に保全できる施術のことを指します。
具体的には遺体を殺菌消毒し、腐敗しやすい部分や血液を抜き、防腐剤・防腐溶液を入れることで、腐敗によって起こる感染症の問題を解消することができます。
ご遺体は防腐剤によって長期に保つことができるので、すぐに火葬できないときや、長距離の移動が必要な時はエンバーミングの処置が行われることがあります。
エンバーミングの実施により、冷蔵保存やドライアイスの処置をすることなく10日~2週間ほど安全に保存することが可能になります。


エンバーミングの歴史


エンバーミングの始まりは遡ること古代エジプトのミイラと言われています。主要臓器の摘出と薬用植物を体内に詰め込むというような遺体の保存処置は、この時代から始まっています。その後、血管系の防腐剤ホルマリンの発見が現在のエンバーミングの原点となります。また、近年になってエンバーミングが急速に普及した要因は、アメリカでの南北戦争やベトナム戦争などの背景があります。戦死者を故郷に移動させる際に、長距離の移動が必要でした。長期期間の遺体保存が必要とされエンバーミングの技術発展と共に飛躍的に広まりました。


エンバーミングの役割


エンバーミングには4つの役割があります。
〇消毒・殺菌
感染症の原因となる病原菌・ウイルスの有無にかかわらず、危険な感染を防ぐために、ご遺体の消毒・殺菌を行います。

〇腐敗の防止
ご遺体は、死後すぐに体内から腐敗が進むので、できるだけ早く薬剤で腐敗防止を行わなければなりません。処置を施すことにより、臭いもほとんど感じられなくなります。

〇修復・化粧
処置を施すことにより、生前の安らかなお顔を取り戻し、故人に対してご遺族の心にいい思い出を残せるようになります。

〇心ゆくまでのお別れ
衛生的に安全となったご遺体と心ゆくまでゆっくりとお別れできます。10日から2週間程度は安全に保たれます。

(エンバーミングとは | 一般社団法人 日本遺体衛生保全協会 (embalming.jp)より引用)


エンバーミングの流れ


エンバーミングは専門の施設で行われます。ご自宅や会館から専門施設へ移動し以下の手順で行われます。
所要時間はその時の状況にもよりますが3~4時間ほどとなります。

1.故人様のお身体の状態を確認します
2.お身体の消毒・洗浄をします
3.体内の血液を排出します
4.腹水や体内の老廃物を除去します
5.体内に薬品(防腐剤)を注入します
6.切開部分や傷痕を縫い合わせ・修復する
7.お身体を洗浄してご遺族の準備された衣服を着せます
8.最後にお顔、髪型などを整えます


世界におけるエンバーミング


エンバーミングはアメリカやカナダ等では一般的な遺体の処理方法となっており、死後エンバーミングを行い、葬儀を行うという一連の流れが確立しています。
アメリカでは、州によっては移動距離によってエンバーミングを義務づけるなど、州レベルの法整備がなされ、エンバーマーの教育・資格制度も整備されています。
また社会主義国の指導者の権威を高めるためにエンバーミングをするだけでなく、常にメンテナンスをすることで生前の姿を保ちながら展示し続けているケースがあります。ロシア革命を主導したソ連のウラジーミル・レーニンがエンバーミングされてレーニン廟で生前の姿を保ちながら展示され続けたのを前例とし、何人かの社会主義国の指導者に生前の姿を永久に展示することを目的にエンバーミングとメンテナンスをする例が出てくるようになりました。(エンバーミング - Wikipediaより引用)


日本におけるエンバーミング


1974年日本にエンバーミングが初めて医科大学に導入されました。それからほどなく遺体保全の観点から葬儀社へと広まっていきます。大きく知られていないのは、アメリカなどの土葬と異なり、日本の場合は火葬が主流であるのが背景にあります。日本では、亡くなってからわりと早い段階で通夜葬儀を行い火葬となります。福岡ではだいたい2~3日で通夜葬儀が終わり、その後に火葬という流れです。
その中でも、ご遺体を埋葬するまでの感染症対策や衛生の観点からエンバーミングを希望する方も増えています。また、長距離の移動が必要な場合や災害などの影響ですぐに火葬ができない場合などに、エンバーミングの処置が行われます。その他、先にも紹介したようにエンバーミングには修復するという役割もあります。ご遺体の損傷がある場合や闘病によりやせてしまった場合でも、エンバーミングの処置により生前の元気だったころの姿に限りなく近づけることが可能です。ご家族のグリーフケアの観点からエンバーミングを選択されて最後のお別れの時間を心ゆくまでお過ごしになる方もいらっしゃいます。


最後に


費用については20~30万円ほどです。エンバーミングは施術できる施設が限られており、費用の内訳は施設への移動費と施術代となります。実際にエンバーミングを行われたお客様からは、「元気な頃の姿でお別れが出来て良かった。」「遠方の親族が集まるまでの時間がかかりましたが、エンバーミングのおかげで日程に余裕をもってお葬式が出来ました。最後までゆっくりできました。」などの声がありました。お客様の考えによってお別れの選択肢は様々です。後悔のないお葬儀を行えるように西日本典礼・大分典礼のスタッフ一同心を込めてお手伝いさせていただきます。


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