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コラム

誰にも起こりえるお墓の無縁化
終活について

誰にも起こりえるお墓の無縁化

無縁墓(むえんぼ)、というとどんな印象をもたれるでしょうか。「身寄りのない人」、「子供のないかわいそうな人」、「先祖の墓を顧みない不幸者の子供のいる家庭」にこそ起こる出来事のような気がします。自分の家には起こるはずがない、起こらないはずだ、と思われる方もいるでしょう。しかし、お墓の無縁化は誰にでも起こりえます。


1999 年に墓埋法が一部改正され、無縁墓の手続きが変更されました。
墓地の運営者は、無縁墓になっていると思われる場所の使用権を持っている人に対して、1 年以内に墓地事務所に申し出ることを官報に掲載すると同時に、そのお墓がある場所に立札を1 年間掲示します。
そのうえで、1年以内に申し出がなかった場合に、墓地の運営者は無縁墓を撤去できます。お墓を建てるときに必要な経費には、大きく分けて「永代使用料」「年間管理料」「墓石建立費用」があります。
「永代使用料」は永代使用権を取得する費用ですので、墓地運営者との間でいったん使用契約を締結すれば、解約しても返金されない点に注意が必要です。また「年間管理料」は、墓石を建てなくても、契約時からかかります。年間管理料自体は数千円程度ですが、滞納すれば使用権が抹消されたり、無縁墓と見なされ、前述のような無縁墓の手続きに入ったりする可能性があります。例えば東京都の都立霊園の場合は、年間管理料を5年間滞納すれば使用権は抹消されることが、霊園規則にうたってあります。
一方、「墓石建立費用」はどんなお墓を建てたいかによって大きく変動します。墓石購入契約は、石材店との契約です。建立費用には、墓石費用以外に、石の加工費や施工費、外柵費用がかかります。最近は、故人の趣味だったピアノや自宅等をかたどったオリジナルの個性的な墓石が増えていますが、手の込んだ形の墓石も加工費が高くなりがちです。ロッカー式の納骨堂であれば墓石建立費用はかかりません。


〇お墓を継ぐ人がいなくなることが心配な方は・・・
・子供がいる方は「次の世代が考えてくれるだろう」と人任せにせず、事前に子供と相談する。息子がいる家庭も、「継いでくれるはず」と思いこんだり、「継ぐべき」と固定化した考えに固執せずに墓の今後について相談する。特に、息子の妻が女系家族の場合は相談が必要。
・従来型のお墓に固執せず、承継を前提としない永代供養や本山納骨する。現在のお墓を閉める(墓じまい)て、永代供養などにする事も可能。
・独立したお墓の形(従来型の墓のかたち)が希望の場合、独立型の永代供養墓も最近は出てきているので検討する。
・樹木葬・桜葬、散骨、ダイヤモンド葬は、承継を必要としないので自分たちの事情や気持ちにマッチする選択肢か検討する。

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